大阪市立大学は2022年度から大阪府立大学と合併して、大阪公立大学になる。しかし、この英語名であるUniversity of Osakaが物議を醸している。Osaka
Universityである大阪大学からクレームがついているのだ。このUniversity of XとX Universityの違いは、確かに厳密にはある。前者は、Xの大学あるいはXな大学としての命名だが、後者はそうではない。したがって、カリフォルニア州立大学はUniversity
of Californiaだが、ハーバード大学がUniversity of Harvardになることはないし、日本でも慶應大学がUniversity of Keioになることはない(慶應の大学? あるいは慶應な大学?)。
しかし、現実には混同されやすいことが確実である。なお、現在の私の大学である大阪市立大学はOsaka City Universityだが、これでさえもOsaka Universityである大阪大学としょっちゅう間違えられる。大阪大学は知られているみたいで、私の大学名の英文名を見た人たちが、なるほど大阪大学はニューヨーク市立大学(City University of New York)と同じように市立大学だったんだと勘違いするわけである。
このUniversity of XとX Universityについて英国と米国の大学教員にそれぞれ聞いてみたが、やはり厳密には異なるが、極めて混同されやすいので、University of Osakaは止めたほうがよいという意見であった。確かに日本では、静岡大学がShizuoka University、静岡県立大学がUniversity of
Shizuokaで、どちらも命名として間違っていない。しかし、他と間違えられないということが名前の機能の1つなら、後からつけたほうが変更すべきだろう。世界では、英国のYork UniversityとカナダのThe University of Yorkがたびたび混同される。また、英国のNewcastle UniversityとオーストラリアのThe University
of Newcastleも同じように混同されるようだ (愛知県の新城市が市立大学をつくるときに英語名に気をつけないといけない)。