2020年1月13日月曜日

めざせJ1昇格―2020年シーズンの京都サンガ

 2017年と2018年のシーズンはおそろしくひどいサッカーだったが、2019年シーズンの京都サンガは、中田一三監督のもと、パスとポゼッションのなかなか面白いサッカーを見せてくれた。京都は、20112013年シーズンも大木武監督によるパスサッカーだったが、大きなサイドチェンジもなくゴールよりもパスが目的であるかのような袋小路にはまったサッカーという印象だった。それに比べて2019年のサッカーは抜群に面白く、一時はJ2で首位だったのでJ1昇格を期待していた。しかし、守備を固められてカウンターという、ポゼッションサッカーの典型的弱点を突かれ始め、8位という成績で終わってしまった。ポゼッション率が上回っているにもかかわらず負けが多かった後半は大きな反省材料だろう。

 2020年シーズンは、中田一三監督のもとでコーチをしていた實好礼忠が監督になった。彼はJ3でガンバ大阪U-23の監督をしていたが、さて京都ではどのようなサッカーをするのだろうか。個人的には、おもしろいようにパスがつながるサッカーは捨てて欲しくないし、これに積み上げるとすれば、ポゼッションにこだわらず、守備あるいは前線のプレスからのカウンターを中心とした縦に速い攻撃を追加することだろう。現代のサッカーで、ポゼッションを中心にチームを機能させようとするとたいへんだと思う。世界でポゼッションサッカーといえば、リーガのバルセロナ、エールディヴィジョンのアヤックス、イングランドプレミアのノーリッジが思い浮かぶ。アヤックスは健闘したものの、バルセロナはあの豪華メンバーで苦労しているし、ノーリッジにいたっては現在最下位である。

 2019年に前線を牽引した、仙頭啓矢、小屋松知哉、一美和成がチームを去る。これだけ大幅に入れ替わるとチームとして機能させるために時間がかかるのではないかと心配するが、新しく加入しているプレーヤーを見ると、2019年のサッカーに京都は何を積み上げようとしているのか素人でも何となく理解できる。ヨルディ・バイスには堅い守りの構築、荒木大吾、中川風希、飯田貴敬には縦への速い攻撃、ピーター・ウタカには決定力、李忠成には前線からのプレスだろうか。2019年は中盤の底の庄司悦大からの長短のパスが効いていたので、これに縦の速い攻撃が加わると強力になる。

 京都は、これまで客寄せパンダのような元日本代表を連れてきては失敗している。元日本代表がメディアで取り上げられることを期待しているのかもしれないが、やはりサポーターをはじめとする観客は、おもしろく強いサッカーをしなければスタジアムには行かない。その点、ことしの補強は、2019年のサッカーで足りなかった部分を補っていて、個人的には非常に期待がもてる。スタジアムも新しくなり、開幕が待ち遠しい。

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