2018年7月16日月曜日

予想は外れるためにある―2018ロシア・ワールドカップ


 ワールドカップが始まる前の610日に、今回のベストフォーを予想してみた(2018年ロシア・ワールドカップ予想)が、なんと予想4チームの中で実際にベストフォーに残ったのはフランスのみとなってしまった。さらに、日本は三連敗を予想していただけに、私の予想については惨敗といってよい。

 2010年の南アフリカ大会は、優勝スペイン、準優勝オランダと的中させていた。それを人に自慢しても後知恵バイアスと思われかねなかったので、今回はブログで証拠を残そうと思ったのだが、裏目になってしまった。今大会は近年まれに見る好試合が続き、タレントの個の力をうまく引き出す組織があって、堅守かつ攻守の切り替えが速いチームが好成績をあげたように思う。最大の驚きは、優勝と予想したドイツの予選敗退である。レーヴの長期政権による沈滞が最も大きな原因だったかもしれない。

 フランスは、そこそこの成績を収めると思って3位と予測したが、なんと優勝してしまった。3月に渡仏したときにTVでコロンビアとの親善試合を見たのだが、逆転負けを喫していたので、まさか優勝をするとは思っていなかった。また、ワントップであるセンターFWのジルーの物足りなさもフランスを優勝候補から外した理由である。ジルーは、ワールドカップでは実際にも無得点だったが、ワントップが一点も取らないチームで優勝というのは珍しいと思う。しかし、ジルーだけではなく、ポグバ、グリーズマンなど、中盤の豊富なタレントたちが、エムベパを活かすためにかなり黒子に徹していたのには驚いた。これがフランスを優勝に導いた原動力だろう。

 2位のクロアチアは、前回の記事でタレント豊富と書いているが、まさか準優勝の成績を収めるとは予想していなかった。ヨーロッパ予選でも、「あの」アイスランドに首位を奪われて、プレーオフでギリシャに勝利してのやっとの出場だったので、さすがにベストフォー以上の予想はしていなかった。しかし、ベルギーとともに、攻守の切り替えが速く、個の力を組織で活かすことができたことが躍進の要因だろう。個人的には、トットナム時代からのモドリッチのファンだったので、ぜひクロアチアに優勝して欲しかったのだが、残念だった。

 日本の決勝トーナメント出場は、幸運の一言に尽きると思うが、その幸運をうまく活かせる実力も垣間見られて嬉しかった。世界のサッカーのトレンドを見ると、縦に速いハリルホジッチの方向性は間違ってはいなかったと思うし、その遺産をうまく西野監督が使うことができた結果だろう。また西野監督には失礼かもしれないが、試合の流れを読むのがあんなに上手いとは思ってもみなかった。三連敗を予想していただけに、丸刈りものかもしれない(私は、丸刈りよりも、クロアチアの「ヴィダの髪形」にしてみたい!)

0 件のコメント:

コメントを投稿