日時 2024年9月2-4日
9月2日 (月) 10:00-17:15
9月3日 (火) 10:00-17:15
9月4日 (水) 10:00-15:45
誰でも参加可能で参加費は無料。またZoomによる遠隔参加も可能。
Zoom登録リンク
https://omu-ac-jp.zoom.us/meeting/register/tJEvc--pqTwvHNa2065PSFNs2IwQ1vc9g8af
The
International Symposium on Rationality: Theories and Implicationsは、単発の国際シンポジウムで、企画者の山祐嗣が研究代表を務めている国際共同研究強化(B)(Religious
moral reasoning in the frame of dual process approach: Cultural differences in
religious moral reasoning and thinking style.)の研究費によって英国人研究者1名、フランス人研究者5名を招へいし、また日本学術振興会・外国人招へい研究者(短期)プログラムによってインド人研究者1名を招へいし、国内より22名の研究者が集まって、合理性 (rationality) について議論を行うものである。発表はすべて英語で行われ、リモートで世界に向かって研究成果が発信される。近年、合理性についての議論がさまざまな視点から行われ、認知心理学や社会心理学、哲学、工学等にまたがる学際的な領域の研究になってきている。また、学際的な理論としての発展が著しく、同時に、政治的分断やフェイクニュース・陰謀論などの非合理的な思考が世界的に問題視される中で、合理性についての議論は非常に重要になってきている。
本シンポジウムは、最新の研究成果の発信の場として、この理論的発展と現実の問題への適用に貢献できると期待できる。また、本シンポジウムのもう一つの目的は、若手研究者に国際的発信を奨励することである。日本の若手研究者が日本語で発表しただけでは、興味深い研究であっても日本以外の研究者に声が届かずに終わってしまうということが多々ある。本シンポジウムでの若手研究者の発表は、今後の国際的な活躍のための第一歩となることが期待される。
シンポジウムの内容
シンポジウムでは、2件のキーノートと5つのセッションが計画されている。Linden Ball教授 (University of Central Lancashire) は、”Meta-reasoning: The monitoring and control of thought” という題目でキーノートスピーチを行う。合理性は、内省が直感を制御するという二重過程理論枠組みで議論されることが多く、メタリーズニングは、内省を開始すべきか否かの判断に関わっている。また、Jean Baratgin教授 (Paris 8 University Vincennes-Saint-Denis) は、”The question of the norm of rationality in the psychological study of human reasoning: Finettian coherence as a solution”という題目でキーノートスピーチを行う。合理性の議論に、規範をどのように設定すべきかという議論があり、命題論理学が規範とされていた論理思考研究に、De Finettiの論理学の導入が試みられる。
セッションは5つに分かれ、”Rationality & Irrationality”では、合理性そのものについての議論とフェイクニュースや陰謀論などの非合理性についての発表が予定されている。”Rationality & Morality”では、合理的思考と道徳的推論についての発表が行われる。合理性は、内省が直感を制御できるのかという二重過程理論の視点で議論されることが多いが、”Rationality & Dual-process”では、このテーマの発表が行われる。また、ヒトと他の哺乳類との最も大きな違いの一つに協同がある。”Rationality & Cooperation”では、合理的な協同をテーマとした発表が行われる。さらに、文化は人間が適応のために創り出した道具だが、この合理性が”Cultural Rationality”で議論される。