2021年1月11日月曜日

出席予定者に新型コロナウイルス感染が疑われた人がいたから成人式を中止?―どうみても論理が破綻している

  新型コロナウイルス感染の拡大が止まらない。口からの唾液あるいは飛沫にウイルスが多く含まれているので、マスクをとっての口呼吸が必然的に生じてくる会食が最も感染にハイリスクな行動のようだ。年末年始の爆発的な拡大は、飲食店に限らないホームパーティなども含めた会食の影響だろう。それならば、いくら式後の会食を自粛せよと注意を喚起しながら行うとしても、成人式は暴挙といえるのではないだろうか。そもそも大人数が集まるような状態では、いくらマスクをしていても、会話をすれば当然マスクの隙間からはマイクロ飛沫が拡散されるだろうし、式後の会食は、誰がどうやって止めるのだろう。大人数が集まれば、その中から規則を守らない人が何パーセントかは出るということは、常に想定しないといけないことだ。

 那覇市内の一部の中学校区では出席予定者に新型コロナウイルス感染が疑われたため、式典開始2時間前に急きょ中止が決まったという報道がある。英断だとは思うが、2時間前ということで、いろいろと混乱があったようだ。しかし、中止の理由が、もし式典に感染者がいればそこでの感染の確率が高いからということだとすれば、どうみても論理の破綻である。つまり、成人式のような式典では感染が生じやすいということを認識しながら計画するということ自体が問題であろう。那覇市のこの校区では、もし新型コロナウイルス感染疑いがある人が発見されなければ、実施したということなのだろうか。式典で感染者がいれば感染が広まる確率が高いというこの認識は正しいと思う。しかし、それならば、ウイルス感染疑いがある人が発見されなかったとしても、無症状のままの感染者が参加する確率は決して低くないという判断ができなかったのだろうか。実際、これだけ感染者が増えて検査での陽性率が高まっている現在、式典に無症状感染者が紛れ込む可能性は決して低くないはずである。

 感染しないようにだけではなく、感染させないようにという自分が無症状感染者であることも想定した行動が求められている中、この那覇市だけではなく多くの自治体において成人式が執り行われたことは、どうみても論理が破綻している。滔々と祝辞を述べている市長などを見ると、この大変な時期にそんな暇があるのかと思ってしまう。私自身は出席していないので理解できないのかもしれないが、成人式ってそんなに重要なのだろうか。私は、つくづく大学も含めた日本の学校や社会には、意義がわからない行事が多すぎると思うが、そのような形だけの行事よりも大切なことが他にもっとあるはずだ。

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