最近、韓国のネット記事で知ったが、韓国の若者でちょっと流行しているフレーズに、「やめろ!やめるんだ、こんな戦い!」というものがあるようだ。これは、私は知らないのだが、アニメの、機動戦士ガンダムSEEDに登場するアスラン・ザラの言葉らしい。
この背景にあるのが、韓国における競争の厳しさのようだ。日本も、受験戦争や就活など、競争が激しいと言われてはいる。しかし、ご存知方も多いと思うが、韓国の、とくに受験の競争については常軌を逸している印象が強い。統一大学入学試験の日には、試験に遅れそうな受験生をパトカーで運んだり、受験生のお母さんが試験中ずっとお祈りを続けたりとか、日本人の目から見ても、奇異である。さらに、受験等で頑張った結果が、韓国の若者の高い失業率ということで、ヘルコリア(地獄の韓国)と呼ばれているようだ。
競争社会という点では、むしろアメリカのほうが厳しいかもしれない。実業界においては、いわゆる「外資系」における有能な社員への厚遇からも推察できるし、研究者の世界での競争も、日本や韓国におけるよりも厳しい。
それでは韓国や日本のこの競争はいったい何なのだろうか。また、先進産業国の中で、両国の自殺率の高さは突出している。確かに、韓国と日本だけを見ていると、競争社会と自殺率の高さというのは関係がありそうな気がするが、アメリカ等の欧米諸国の競争社会を考慮すれば、やはり韓国と日本は何か特殊なのだろうかと思ってしまう。社会心理学では、東洋人の集団主義、自尊心の低さ、悲観主義などが考えられるが、まだまだわからないことが多い。
この状況で、韓国の若者の間で、戦いをやめようというスローガンが流行というのもおもしろい。社会を変化させる潮流となるのだろうか。それとも、元気のない社会になってしまうのだろうか。今後を見守りたい。
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