のっけから悲観的な話題だが、日本人研究者による国際誌での論文発表数の世界に対する割合がこの10年間で急落しているらしい。これはNature Index 2017 Japanによる報告で、日本人にとって大きな警告となっている。このニュースに対して、私の中で意外なという驚きと、当然だろうという矛盾した印象をもった。
意外という理由は、ここ10年ほどの心理学領域において、国際誌にかなり日本人若手研究者の論文が掲載されるようになったからである。20世紀の時点では、国際誌での日本人の論文は本当に少なく、欧米の大学で博士号を取得した「偉い先生」に限られていたという印象だった。しかし、インターネットによって論文検索が容易になり、グローバル化の波に乗って海外の国際学会で発表する機会も増え、国際的な第一線で活躍している研究者との意見交換も容易になって、このような進歩があったのであろう。
意外という理由は、ここ10年ほどの心理学領域において、国際誌にかなり日本人若手研究者の論文が掲載されるようになったからである。20世紀の時点では、国際誌での日本人の論文は本当に少なく、欧米の大学で博士号を取得した「偉い先生」に限られていたという印象だった。しかし、インターネットによって論文検索が容易になり、グローバル化の波に乗って海外の国際学会で発表する機会も増え、国際的な第一線で活躍している研究者との意見交換も容易になって、このような進歩があったのであろう。
当然という理由は、大学教員の職責という点で、研究に割くことができる時間がおそろしく減少しているという点である。この最も大きな要因は、人員の削減と、精神的消耗を伴う仕事の増加である。人員の削減は、教員だけではなく、事務職員まで及び、事務職員は多忙を極め、教員は教育と研究以外のさまざまな仕事をしなければいけなくなった。また、私が所属する大学はまだましなのだが、私立大学の場合は、夏はオープンキャンパス、秋は推薦入試等が目白押しで、週末がおそろしく潰れてしまう。そうすると、学会等に参加できない、土曜日によく行う自主研究会を行えない、論文を読んだり書いたりする時間が激減するという状態に陥る。ちょうど小中高の教員が、さまざまな雑務のために、最も大切な授業の準備ができなくなるということと同じことが起きているわけである。
「大学の教員なんて、授業は少ないし夏休みは長いし、仕事をさせておけ」程度の認識でこういう状態が放置されていていいのだろうか。これは、ノーベル賞受賞が減るとかそういう議論ではなく、知のあり方といったもっと本質的なレベルで為政者に考えていって欲しい問題である。
「大学の教員なんて、授業は少ないし夏休みは長いし、仕事をさせておけ」程度の認識でこういう状態が放置されていていいのだろうか。これは、ノーベル賞受賞が減るとかそういう議論ではなく、知のあり方といったもっと本質的なレベルで為政者に考えていって欲しい問題である。
" 初めてご連絡させて頂きました。
返信削除私、株式会社スプリックスの飯坂 正樹と申します。
突然のご連絡で大変失礼致します。
山様のブログ、「思考研究の作法」にございます人間の思考や心理に関する記事の数々を拝読させて頂き、ご連絡致しました。
「昔はモラルは高かったのか―現在の学生の意見」では、山様のアプローチに加え、
現在の学生が今昔における「モラル」をどう捉えているのか伺うことができてとても新鮮でした。
弊社では、学校の先生方向けに授業準備のための無料情報サイト
「フォレスタネット」を運営しております。
「フォレスタネット」は全国の先生方が実践等を共有し合うことで
先生方の授業準備をご支援するサイトです。
総数10万点以上の教材や実践例等の情報を掲載させて頂いております。
他にも、授業内で使える小噺、小ネタ、学級経営に関するもの、
先生方自身のスキルアップに繋がる情報も掲載致しております。
しかし、全国の先生をご支援する為に
より多くの情報を揃えていきたいと思っております。
つきましては、貴ブログにございます記事について、
是非フォレスタネットへ掲載させて頂けませんでしょうか。
掲載作業の一切は全て我々の方で進めさせて頂き、管理人様のお手間はとらせません。
また、記事を掲載する際の名義は管理人様の名義のまま掲載させて頂きます。
フォレスタネットの先生方が生徒と接していく中で山様の教育への取り組みや心理学の考察は
大きな助けとなると考えております。
ご不明な点も多々あるかと存じますので、何なりとご質問頂ければと存じます。
この度は突然の不躾なお願いとなり、大変申し訳ございません。
ご検討の程、何卒宜しくお願い申し上げます。
ご連絡いただける際は下記のメールアドレスまでお願い致します。
m.iisaka@sprix.jp"